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伊豆新聞5月29日掲載 「ヴィオラと私と伊豆フィルと」

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■ヴィオラ 斉藤 千晶
 A「ヴィオラって何?」、B「ヴァイオリンより少し大きいやつだよ。」、A「?」、B「えーと、チェロよりも小さいよ。」、A「??」、B「だから!一番地味なやつだよ。」、A「あっ、わかった!」。よくこんな会話がされるほど地味な弦楽器ヴィオラですが、実は温かみのある音でオーケストラの内声を受け持つ重要な楽器です。例えて言うなら大福のあんこ、シュークリームのカスタードのような味わい深い存在です。その魅力にひかれ弾き始めて今年で10年、節目の年を伊豆フィルで迎えるとは数年前までは予想できませんでした。
社会人になって以来仕事に追われ、弓を握れず悶々としていた時、伊豆フィルのサポーターである職場の先輩から入団案内をいただいたのが伊豆フィルとの出会いでした。見学初日、「ヴィオラが弾きたい!」という思いだけで飛び込んできた無鉄砲な自分を団員の方々が温かく迎えてくださったことは今でも忘れられません。この温かな雰囲気、懐の深さこそ、練習場所も演奏ホールも決して恵まれているとはいえない伊豆の地で、多くの人々の支持を集め、17年も活動を続けてきた伊豆フィルの秘密であると確信しています。
さて、今度の演奏会はヴィオラがショートケーキのイチゴ並みの主役を務めます。「運命」第2楽章にぜひご期待ください。私の音は「味わい深さ」には程遠いですが、受け入れてくれた伊豆フィルと聴きに来られる方々へ、感謝と敬意を込めて演奏をします。